薬害エイズ和解記念集会
独立行政法人国立病院機構 理事長 新木一弘 様
薬害エイズの被害に遭われ、これまでお亡くなりになられた多くの方々のご冥福を心よりお祈りするとともに、現在、療養を余儀なくされている方々、またご家族の皆様に衷心よりお見舞い申し上げます。
さて、国立病院機構は、1996年に成立した和解に基づき、全国8ブロックのうち、東北、東海、近畿、九州の4つのブロックで地方ブロック拠点病院の指定を受け、薬害エイズの被害に遭われた方々への治療やそれに関わる研究を行い、個別救済として、さまざまな問題を抱えながら厳しい療養生活を送られている被害者の皆様に、個々の事情に応じた支援が行えるよう、国の支援の下、体制を整備して取り組んでおります。
先般、国立病院機構では今後のあり方を検討するためNHOビジョン検討委員会を設置し議論を重ねてまいりました。令和6年12月に策定されたNHOビジョンにおいて、エイズ医療につきましては「NHO病院はブロック拠点病院や中核拠点病院、エイズ治療拠点病院としてエイズ医療の提供体制の一翼を担ってきました。今後も引き続きブロック拠点病院等としてのエイズへの取組推進に向けた役割を果たしてまいります。」と記させて頂き、今後も国立病院機構が引き続きエイズ医療における役割をはたしていくことを明記しております。
近年、国立病院機構の各ブロック拠点病院では、療養の長期化に伴う様々な課題への支援など、救済医療についてより広い範囲の対応が求められていると承知しております。
薬害エイズ裁判の和解から29年が経過し、必要とされる医療や支援についても刻々と移りゆくなか、国立病院機構はこれからも和解の趣旨やこれまでの協議の内容を踏まえ、被害者の皆様の原状回復にむけて必要な医療が提供できるよう、引き続き関係機関と協力しながら努めてまいります。
本集会を契機とし、被害者救済がさらに進むことを祈念しております。