薬害エイズ和解記念集会
国立病院機構大阪医療センター 院長 松村泰志 様
日頃より、当院のHIV診療、エイズ診療ブロック拠点病院としての在り方に関し、様々な方面からご指導頂き、ありがとうございます。薬害エイズ被害者の皆様方におかれましては、様々な身体的、精神的な負担に加え、厳しい療養生活を送られている方もおられると認識しております。療養中の皆様に心よりお見舞い申し上げます。
当院では、HIV・AIDS先端医療開発センターが中心となって、HIV感染症に関する最新の医療を提供するとともに、新たな診療・治療方法の開発のための研究に取り組んでおります。被害者の方々には、福祉・生活面での支援の必要性も増していることと認識しております。当院のHIV地域医療支援室では、経済的・心理的支援を含めた社会的支援等に取り組んでおり、HIVコーディネータが患者さんに積極的にアプローチして、必要な医療者につなぐなどの調整をしております。
当院は血友病診療のブロック拠点病院となっており、血友病診療にも力を入れています。令和3年より血友病科を開設し、血友病診療を充実させるべく取り組んでいます。来年度には、有望な若手医師が新たに加わる予定です。長年の懸案であった血液凝固異常症レジストリを来年から実施する計画となっていますが、このレジストリを担う法人の事務局を当院に設置し、準備を進めているところです。このレジストリは、血液凝固異常症の研究開発を推進させ、患者様に、より良い医療をいち早く届けるための重要な基盤になってくれるものと思います。また、当院が、より多くの被害者の方に関わらせていただける機会になるのではないかと期待しているところです。
HIV診療における課題について真摯に取り組み、患者さんに安心していただけるように良い医療を提供していきたいと考えております。これからもご指導よろしくお願いします。