北海道大学病院 病院長 渥美達也 様

この度の薬害エイズ裁判和解29周年記念集会にあたり、亡くなられた被害者の方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに、薬害事件の再発を繰り返さないための活動や、被害者の救済医療を推進するための活動などにこれまでご尽力されてこられた関係者各位に深く敬意を表します。また、今なおHIV感染症や合併症に苦しまれている被害者の方々に、心からお見舞いを申し上げます。

薬害被害者の方々は、HIV感染症はもちろんのこと、血友病やC型肝炎ウイルスによる肝硬変/肝癌、さらには高齢化に伴う慢性合併症などを含め様々な問題を抱えております。このような問題に適切に対応するためには、お住まいになられている地域との連携がきわめて重要と考えております。北海道では、｢北海道薬害被害者医療支援プロジェクト｣として、被害者の皆様が通院されている各施設が連携して個別救済を進めているところです。また、当院では患者さんの自宅訪問や各種検診事業のほか、療養通信も発行して患者さんのより良い長期療養を目指した取り組みを行っております。今後もこのような活動を継続していくとともに、広大な北海道という地域で、被害者の皆様が住み慣れた地域において、安心して暮らせるように、尽力していきたいと考えております。

最後になりましたが、この和解記念集会が実り多き集会となりますことを祈念申し上げます。

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