薬害エイズ和解記念集会
独立行政法人国立病院機構 理事長 楠岡英雄 様
薬害エイズ裁判和解28周年記念集会の開催にあたり、メッセージを送らせていただきます。
薬害エイズの被害に遭われ、これまでお亡くなりになられた多くの被害者の方々のご冥福を心よりお祈りするとともに、ご遺族の皆様にお悔やみ申し上げます。また、このたびの石川県能登地方を震源とする令和6年能登半島地震によりお亡くなりになられた方々のご冥福を謹んでお祈りするとともに、被災された皆様にお見舞い申し上げます。
さて、国立病院機構は、1996年に成立した和解に基づき、全国8ブロックのうち、東北、東海、近畿、九州の4つのブロックで地方ブロック拠点病院の指定を受け、薬害エイズの被害に遭われた方々への治療やそれに関わる研究を行い、個別救済として、さまざまな問題を抱えながら厳しい療養生活を送られている被害者の皆様に、個々の事情に応じた支援が行えるよう、国の支援の下、体制を整備して取り組んでいます。
近年、被害者の皆様が肝硬変や悪性腫瘍、循環器疾患といった他疾病を合併されることや高齢化に伴う長期療養も課題になっていると承知しております。国立病院機構の各ブロック拠点病院においても引き続き検査等の実施や地域の関係機関との連携に取り組み、対応してまいります。薬害エイズ裁判の和解から28年が経過しますが、これからも、和解の趣旨やこれまでの協議の内容を踏まえ、被害者の皆様の原状回復にむけて、国立病院機構として必要な医療が提供できるよう、引き続き関係機関と協力しながら努めてまいります。
本集会を契機とし、被害者救済がさらに進むことを祈念しております。