薬害エイズ和解記念集会
北海道大学病院 病院長 渥美達也 様
この度の薬害エイズ裁判和解28周年記念集会にあたり、関係者各位のご尽力に深く敬意を表しますとともに、亡くなられた被害者の方々に謹んで哀悼の意を表します。また、今なおHIV感染症や合併症に苦しまれている被害者の方々に、心からお見舞いを申し上げます。
近年、HIVに対する治療は大きな変化を遂げた一方で、慢性合併症や悪性腫瘍など高齢化に伴う諸問題が浮かび上がってきております。このような問題に適切に対応するためには、様々な専門施設や、患者さんがお住まいになっている地域との連携がきわめて重要と考えております。北海道では、「北海道薬害被害者医療支援プロジェクト」として、被害者の皆様が通院されている各施設が連携して個別救済を進めているところです。また、当院では患者さんの自宅訪問や各種検診事業などに取り組んでおります。今後もこのような活動を継続していくとともに、広大な北海道という地域で、被害者の皆様がどこに住まれていても、安心して暮らせるような体制の構築に尽力していきたいと考えております。