薬害エイズ和解記念集会
エイズ治療・研究開発センター 救済医療室長 田沼順子 様
第一に、薬害エイズ被害によりお亡くなりになられた皆様に心よりお悔み申し上げるとともに、療養中の皆様の一層のご健康をお祈り申し上げます。
ACC救済医療室では、薬害エイズ被害で失われた医療への信頼を回復させることをミッションとし、患者参加型医療の推進に取り組んでおります。医療を実践する過程では、様々な意思決定場面があります。患者さんがその過程に参加することで、治療の満足度や医療者と患者さんの信頼関係向上に通じることが知られています。
COVID-19のパンデミックの中、政府や医療機関に対する不満の声が頻繁にきかれ、時に社会を分断するような議論さえみられました。薬害エイズ被害とその背景、またその後の患者・当事者参加型医療推進などの信頼回復の取り組みについて、深く考察することは、このような不確かな状況下でより良い判断をしていくための知恵を授けてくれるものと信じております。
犠牲となった命を決して無駄にせず、未来のより良い医療のために薬害エイズの教訓を最大限生かすべく、引き続き邁進してまいります。