薬害エイズ和解記念集会
日本赤十字社 社長 大塚義治 様
本年、東京・大阪の薬害エイズ訴訟の和解成立より、四半世紀となる25 年を迎えました。改めて、これまでに亡くなられた方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに、今なお苦しんでいらっしゃる方々に、心からお見舞いを申し上げます。
薬害エイズは、日本における医療の安全性及び信頼性を根幹から揺るがす大事件であり、大きな社会問題となりました。当時、血漿分画製剤を製造・供給していた日本赤十字社にとっても、「使用される方々の命と尊厳が守られるよう、安全な血液製剤をお届けする」という重大な使命を、改めて認識する大きな契機となりました。
日本赤十字社は、平成24年に血漿分画製剤の製造を一般社団法人日本血液製剤機構に委ねましたが、現在も国内での製造に用いられる原料血漿の供給を引き続き担っております。
提訴から32年、和解成立から25年が経過しましたが、薬害エイズは時と共に風化させてはならない歴史であり、我々日本赤十字社は同様の悲劇が二度と繰り返されないよう、「安全な輸血用血液製剤を安定的にお届けする」ことを使命として、より一層の努力を重ねてまいります。