薬害エイズ和解記念集会
独立行政法人国立病院機構 名古屋医療センター 院長 長谷川好規 様
薬害エイズ裁判の和解から25年という年月のなかで、東京・大阪HIV訴訟原告団と弁護団、ならびに薬害の被害者の皆さんにおかれましては、被害者の皆様の原状回復とともに命を救うための医療環境の整備のための活動、また、2度と同じ事件を繰り返さないため、薬害事件を風化させないための活動にたゆまぬご努力を重ねてこられたこと、ここに心より敬意を表します。
感染症をはじめとして、「病(やまい)」に対する社会の偏見・差別は歴史の中で繰り返されており、現時点においても昨年からの新型コロナ感染に対する医療者・患者さんに対する偏見・差別が起きました。
薬害エイズ被害者の皆さんや支援団体各位が、これまで努力されてきた血友病やHIV感染症に対する社会からの偏見・差別をなくす取り組みの真の意味が、まだまだ社会の中で共有されていない現実に残念な思いを禁じえません。
今回、新型コロナ感染症がまだ収束の気配がみられない中、関係者の皆様のご努力で「薬害エイズ裁判和解25周年記念集会」が開催される意義は大変大きいと考えます。また、困難な状況での企画・運営に携われた皆様のご心労を思うとただただ頭が下がる思いです。
国立病院機構名古屋医療センターは、東海ブロック拠点病院として、被害者の皆様に救済医療を提供するため、支援団体と連携を図りながら医療体制の整備・充実に努めてまいりました。また、その役割は将来においても変わることなく堅持してゆく所存であります。微力ながら、被害者の皆様が安心して暮らしてゆける社会の実現に寄与したいと考えております。
「薬害エイズ裁判和解25周年記念集会」開催の重要性を再認識するとともに、皆様のご健勝を祈念いたします。