薬害エイズ和解記念集会
公益財団法人いしずえ 理事長 佐藤嗣道 様
薬害エイズ裁判の和解25周年を迎えられるにあたり、連帯のメッセージをお送りいたします。
はじめに、この場におられる皆様が、被害者がより良く生きるための取り組みを長年続けてこられましたことに敬意を表します。
薬害エイズ事件は、サリドマイド薬害被害者にとって、大きな衝撃でした。製薬企業の犯罪的とも言える行為と行政の不作為(あるいは未必の故意)により被害が拡大したのを見て、サリドマイドと同じ構図の薬害が繰り返されたと思いました。さらに、ミドリ十字の社長として薬害エイズ事件を起こした松下廉蔵(まつした れんぞう)氏はサリドマイド薬害訴訟の和解時の厚生省薬務局長でした。
「誓いの碑」に刻まれた「医薬品による悲惨な被害を再び発生させることのないよう」、「最善の努力を重ねていく」との約束は今日(こんにち)、果たされているのでしょうか。
昨今の新型コロナウイルス感染症をめぐっては、患者・感染者を罰則によって取り締まろうとする感染症法の改正に対して、「感染症に苦しむ人々、さらにその家族の基本的人権を著しく脅かすもの」であるとして、東京・大阪のHIV訴訟原告団・弁護団が反対の声明を出したにもかかわらず、患者・感染者が従わない場合には過料に処すことが国会で決まりました。
新型コロナウイルスワクチンによる新たな薬害の可能性も心配です。今後も薬害を防止し、被害者がより良く生きることができるよう、ともに歩みを進めてゆきましょう。