メモリアルコンサート
第15回はばたきメモリアルコンサートに、たくさんのご来場いただきありがとうございました。
第15回はばたきメモリアルコンサートが、10月2日(水)午後7時から、王子ホールにて開催されました。この日は少し暑いくらいの天候でしたが、約270名の方にご来場をいただきました。皆様、本当にありがとうございました。
今回のコンサートでは、薬害エイズ事件を知らない若い世代の方へ、音楽を通して被害の実態とその教訓を伝えていくことをテーマに行いました。出演者も最年少被害者と同世代のソプラノ歌手・竹多倫子さん、そして薬害エイズ事件が和解する前に生まれた「慶應義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団」の皆さんです。
竹多さんは、日本の歌やオペラを中心に歌いました。ふだんから1000人規模のホールで歌っている竹多さん声量には、来場者の方も驚かれたと思います。現役、OBあわせて総勢36名が参加したワグネルの皆さんによる男声合唱は初めての試みでしたが、各パートの掛け合いも素晴らしく、アンケートでもたいへん好評でした。子どものころから親しんでいる日本の唱歌も、ソプラノ歌手や男声合唱が歌うとまったく違った趣があり、とても良かったと思いました。
そして、今回の歌の伴奏をすべて演奏していただいたピアニストの北田法子さん熱演や、ソプラノと男声合唱を上手くまとめてくださったワグネルOBの吉川貴洋さんの指揮も素晴らしいものがありました。最後は童謡「ふるさと」を会場とステージが一体となってみんなで合唱をしてコンサートは終了しました。
また、薬害エイズのことを少しでも知ってもらえるように、被害者から自身の体験や思いを語ってもらいました。この方は、HIV感染を知った当時は、いつか死ぬかもしれないという不安を抱えながら、ずっと生きてきたそうです。しかし、ある被害者との出会いを通じて、自分の存在価値や役割を認めてくれる人たちの存在に気付き、すこしづつ自分をオープンにしたことで、生きやすさを感じているそうです。そして、多くの被害者の犠牲に上に成り立って生きている私たちは、治療が間に合わず無念の思いをした方のことを忘れずに、あらゆる方法で生き続けなければならない、そしてこの被害のことは語り続けなければならないと締めくくりました。
会場では、毎年来場者の方が楽しみにしている被害者遺族の手作りグッズがあります。今回も、会場で寄附をして頂いた方に、様々なグッズをお渡ししました。たくさんの方から心温まるご寄附は、これまでで最も多い13万円を超えました。本当にありがとうございました。