『 肝硬変症の自己骨髄細胞投与療法が先進医療Bとして実施(山口医大病院申請) 』
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- 2013.6. 7
≪ 肝硬変症の自己骨髄細胞投与療法、先進医療Bに ≫
厚生労働省の先進医療会議(座長:猿田享男慶応大学名誉教授)は
5月17日、山口大医学部付属病院が申請していた「肝硬変症に対する
自己骨髄細胞投与療法」を、先進医療Bとして実施することを了承し
た。
適応症は、ほかの内科的治療で改善が見込めないC型肝炎ウイル
スに起因する肝硬変。
患者の腸骨から骨髄液を約400mL採取し、血液成分分離装置で単核
球分画を分離した上で抹消静脈から投与する療法で、事前評価を担
当した福井次矢構成員(聖路加国際病院)は「有効性が決定的とは
いえないが、研究進める価値がある」と述べた。将来的には保険収
載が妥当だが、効果判定をより客観的に行う方法を導入する必要が
あるとしている。
(平成25年5月21日付 「日刊薬業」より )
※当該研究はNHKテレビで紹介されたりして、患者は大変関心を持
っていた。ようやく日の目を見たが、再生医療の推進が政策課題と
なったので速まったのかもしれない。私たちが関心を持ってから5年
以上の遅々とした審議過程である。
薬害HIV感染被害者(血友病・HIV・HCVの多重合併症患者)には、
患者からの情報から恒久対策の研究として、国立国際医療研究セン
ターのエイズ治療・研究開発センター(ACC)で臨床実験が始ま
り、3年を迎えている。実施患者数はまだ一桁台で。
全国の薬害被害者の通うそれぞれの医療機関における主治医から、
肝硬変治療の医療選択幅の広がりを患者に提示するなど先駆的取り
組みへの姿勢が弱く、肝硬変に進行した後の積極的救命医療を適切
に受けずに死亡する人が後を絶たない。
上記療法だけでなく、肝硬変でその病態スコアが悪い方について、
脳死肝移植へのハードルが被害者について特別に下がったが、
登録への可能性について主治医から説明も少ないのが現状だ。
命を救う手だてが狭まられているのは、薬害被害者救済を担う国
や医療機関の責任が問われる。