平成24年度 「小児がんに関する情報発信(こどもの自立支援)」報告
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- 2014.7.15
平成24年度 成育医療研究開発費「小児がん情報ステーションの運営と拡充・小児がん研修モデルの提示と指導者の育成」
「小児がんに関する情報発信(こどもの自立支援)」報告
平成24年度は、高福祉国家で知られるデンマークを訪れました。国として子どもの政策が進んでいるデンマークの取り組みを調査するために現地の病院、病院の学校、保育園、統合学校、小児がん患者会を訪問し、各研究者が自身の専門分野について報告書にまとめました。
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まずはじめに、社会福祉法人はばたき福祉事業団の柿沼章子より、研究の目的、方法等についてご報告をいたします。この報告では、病気をもつ子どもの自立のための医療・福祉・教育についてのデンマークモデルを示しました。その子の最善を実現するために、各関係者が協働や連携をして、複数の目を持ってサポートするために、支援の隙間ができない仕組みが大切です。そのモデルを図を使って説明しています。
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次に、埼玉大学教育学部学校保健講座の関由起子氏より、「デンマークにおける小児がんのこどもの学校教育支援の現状と日本における課題」というテーマでご報告いたします。
現職の養護教諭に「今までに学校でかかわったことのある長期入院治療を必要としたこどもの病名」について聞いたところ、「白血病」という答えが最も多かったそうです。この報告では、病気の子どもたちにどのような学校教育に対する支援を行っているかを、教育福祉先進国であるデンマークで聞き取り調査を行い、白血病の子どもたちの学校生活支援について日本の課題点を検討しました。医療機関に聞き取りを行ったところ、「病気であっても通常の環境をなるべく維持できるように」との理念のもと、様々な方面から支援が行われているとのことでした。
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次に、武蔵野大学人間科学部社会福祉学科の小俣智子氏より、「デンマークにおける小児がん患者・家族への支援」というテーマでご報告いたします。自身が小児がん経験者であり、ソーシャルワーカーであることから、以下の6つの視点を重視して、視察を行いました。
①小児がんに関わるデンマークの課題
②医療及び支援体制
③小児がん患者・家族を支えるしくみ
④小児がん患者・家族に対する国の理念
⑤専門職の状況
⑥国民性などの文化の差異
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次に、独立行政法人国立特別支援教育総合研究所の西牧謙吾氏より、「デンマークの小児がんの実態調査報告」というテーマで、デンマークでの小児がん医療の現状と病院内における教育・福祉と医療の連携や患者支援活動について報告いたします。医療面ではICTの活用が、福祉面ではMSWの役割の大きさが目立ったとのことです。また、子どもの命は、どれだけお金がかかろうとも国が責任を持って守るということが貫かれており、この部分は行財政改革でも削られませんでした。
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