『最近のHIV関連ニュースの中から「HIV感染者診療拒否ニュース、ヤンセン HIV治療薬〚コムプレラ合剤〛承認』
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- 2014.11.12
【 HIV 最近のニュースの中から 2本 】
◇2014年1月8日付「朝日新聞 医療サイト」から
「HIV感染者、風邪での受診拒まれる 高知市内の病院」
エイズウイルス(HIV)感染者が5月、HIV感染者が風邪を
ひいて高知市内の病院で内科を受診しようとしたところ、「エイズ
なら高知大学の附属病院で治療を」と窓口で言われ受診をあきらめ
たことが、エイズ治療の中核を担う高知大学医学部付属病院への取
材で明らかになった。
昨年は、別のHIV感染者が、かかりつけの歯科診療所で感染を
告げたところ、歯科医師は「外に知られる可能性があるのでは」と
以後の治療を断ったという。
歯科診療所の風評を意識した発言とみている。
※ エイズ診療は1993年、HIV感染者・エイズ患者が病院での診療
拒否が続き強い社会的批判から、とりあえず診療拒否をしない病院に
挙手してもらい、拠点病院として選定した。その見返りにHIV感染
者対応の個室整備費用を補助して患者への差別・偏見に対する打開策
の一つとした。
また、薬害HIV裁判和解で、HIV医療の均てん化を図ることが国
の責務としてHIV医療体制整備の中に盛り込まれた。
中核拠点病院制度ができるまで日本を8ブロックに分け、それぞれの
拠点病院への指導や医療の普及と啓発等を含めた役割を担うブロック
拠点病院が置かれた。現在は中核拠点病院への指導・サポート及び圏
内の拠点病院への啓発などを実施している。
HIV医療体制全体を統括して国のHIV医療と薬害被害者救済医療
を指揮していく国立国際医療研究センター病院内のエイズ治療・研究
開発センター(ACC)があり、HIV医療全体の推進や医療を通し
ての偏見・差別の解消に努めている。
しかし、今回高知で起きている医療機関の診療拒否はエイズ発生から
30年、多様な取り組みをしている中で未だに偏見・差別も含めた初
歩的対応がまかり通っていることは、極めて残念である。
薬害HIV裁判で約束したHIV医療体制整備を担う厚生労働省や体
制整備の研究班を改めて問い直す。(大平)
◇2014年10月28日付「日刊薬業」から
「ヤンセンのHIV治療薬「コムプレラ配合剤」承認される」
厚労省薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会は11月27日、ヤンセン
ファーマが8月に申請した「コムプレラ配合剤」(テノホビル/エム
トリシタビン)を審議し、承認を了承した。同錠は、いずれもHIV
治療薬として承認されている3剤の配合剤。それぞれ異なる作用機序
によりHIV-1逆転写酵素を阻害し、HIVの増殖を阻害する。
1日1回の投与で、服薬アドヒアランスの向上を狙う。欧米では2011年
に承認を受けている。
※アドヒアランスを考慮した利便性もある製剤の開発は大切だと考え
る。一方、合剤になった場合の、これまでの知見からそれぞれの治療
薬が有する副作用等(例えば日本人には体重あたり過剰になるための
副作用等)が懸念されるところです。
稀少性や致死的疾患での有用性を考慮しつつ、民族差や年齢等に影響
する問題を早く解決される、患者が心配しないで済む早期開発の仕組み
を要望したい。