『 無くならない医療機関での差別、社会での偏見ーいつまで続くのか、関係機関自ら原因を調査して、解決策を提示すべき』
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- 2013.11.13
【 無くならない、HIVの偏見・差別 】
「HIVに対する偏見のない医療を -世界エイズ基金審査委員、戸井田氏が講演」
HIV感染者に対する診療の現状について平成25年10月29日、ヤンセンファーマー主催の
セミナーで、世界エイズ・結核・マラリア対策基金技術審査委員の戸井田一朗医師(しら
かば診療所・院長)が講演し、「治療技術が進歩し、例えば20歳で治療を始めた場合の平
均余命は13年以上延びた。
(医療連携の必要性)
しかしながら、HIVに関連しないさまざまな合併症が増加しつつある。各専門分野にご
協力を仰ぎたい」と医療連携に必要性を強調。
HIV感染者に増加しつつある慢性疾患について同医師は、骨粗鬆症・腎機能障害・高脂
血症や糖尿病といった代謝性疾患などを挙げた。悪性腫瘍については、肛門がん・ホジキ
ンリンパ腫・肝がん・非メラノーマの皮膚がんなどの非エイズ関連悪性腫瘍が増加してい
る。
(医療現場での偏見)
さらに、「HIV感染者であることが理由で受療を拒否される例が後を絶たない」と指摘。
偏見のない医療の実現を訴えた。
(早期検査の実施)
現在、新規感染者のうち約3人に1人が、エイズ発症するまでHIVに感染していること
を知らずに生活しているが、エイズを発症しなければ寿命が10-20年長くなるという。
より良い予後のためHIV検査を広く実施し、早期に感染を把握することが大事とした上で
「一般医療機関は、献血、保健所、民間検査センターなどに比べ、検査でHIV感染が判明
する確率が高いので、検査実施施設が増えることを期待している」と協力を呼びかけた。
( 平成25年10月30日付け 「医療介護CBニュース」より )
『 HIV感染を告白させる入試方法は違法-と提訴した裁判 筑波大と感染者 和解 』
筑波大学付属視聴特別支援学校(都文京区)の入試を受けたHIV感染者の30歳代男性が、
同校の専門学校を受験する際、学校側から眼科以外の診療を受けていれば医師の意見書を提出
する言われ、HIV感染者であることを告げると、「実習先に感染の事実を伝えなければなら
ない」などと言われたという。
しかし、厚生労働省の「職場におけるエイズ問題に関するガイドライン(平成7年2月20日)」
で、従業員の採用の際にHIV感染の検査を行わないことを事業者に求めていることなどから、
男性は平成23年、「HIV感染を告白させる入試方法は違法」と提訴した。その後、学校側が
出願者に医師の意見書の提出などを義務付けていた入試方法を改めていることなどから、本年
10月23日の非公式の手続きで和解に応じた。和解内容にも同上の「…医師の意見書を要求しな
い」ことも盛り込まれた。
現在、会社員として働いている男性は和解後の記者会見で「同じような問題が二度と起きな
いことを願っている」と話した。
(平成25年10月23日付 「YOMIURI ONLINE 記事」「時事ドットコム」より)
*医療機関 いつまで続くのか医療機関での差別。拠点病院・中核拠点病院等々で医療機関
や教育機関等で、自ら調査をしてその原因と解決策を打ち出してもらいたい。偏
見・差別をいだくところで自ら率先しないとその重みは自覚しないと考える。
特に医療関係機関での差別的対応は感染している医師や看護師及びそうした職
業を選択しようとする学生や就職試験を受ける人たちにとって、辞めさせる働き
があることは多々有り、差別の問題としてこれからも取り上げ労働関係当局や法
務省などに訴えていきたい。