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最近の話題や出来事から 日赤・田辺三菱の血漿分画部門統合の進捗状況、2011年エイズ患者数過去最高(HIV感染者・エイズ患者累積2万人超す)、医薬品リスク管理や安全監視体制の進み具合、肝炎患者の就労支援、米FDAが家庭用HIV抗体検査キット承認etc

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  • 2012.7. 6

最近の話題から

◇ はばたきの入るビルの駐車場で、ツバメが3羽誕生。静かに巣立ちを

 見守りたい。(7月5日)

 ところが、今日6日朝、見上げるともう一羽、計4羽が口を開けて、親

 ツバメが運ぶ餌を待っている。ちなみに、餌はトンボが多いの驚いた。

 車のフロントガラスに半殺し状態のトンボがくっついているのにビックリ。


◇ 厚労省の薬食品審議会血液事業部会運営委員会(5月28日開催)

  日本赤十字社と田辺三菱製薬の血漿分画事業の統合に向けた進捗状況
 
 について報告があった。今月5月8日、両社の血漿分画事業を統合した

 新法人「一般社団法人日本血液製剤機構」を設立。

  同法人の事業開始は10月1日からとしている。

  同委員会委員から「3月に厚生労働省検討会がまとめた血漿分画製剤の

 あり方に関する最終報告書を紹介しながら、血漿分画製剤の国内自給率の

 目標達成に向け、統合新法人のガバナンスを強化することや、スケールメ

 リットを生かして血漿分画製剤のコストをどのように下げていくかを十分

 に検討してもらいたいとの意見が上がったという(5月29日付「日刊薬業」)

 」ことが掲載されていた。


◇ 厚労省エイズ動向委員会公表から(6月1日)

  同委員会は、2011年の1年間の新規HIV感染者・新規AIDS患者の発生動向

 を公表。新たなHIV感染者・AIDS患者合計数は1529件で前年よりかは

 少なく過去3番目(HIV感染者数は、過去4番目)。ただし、新規AIDS 患

 者数は、473件で過去最多を記録。母子感染による新規感染者が1件報

 告された。サーベイランス(1984年)開始からのHIV感染者・AIDS患者累計

 が2012年3月25日までで2万件を超えた。

  増加地域は、関東甲信越(東京を除く)・東海・九州。また、抗体検査

 件数も減少気味で、受検者の利便性など受けやすい環境を強化が求められ

 る。新規感染者・患者とも同性間性的接触が例年通り多数で、さらなる効

 果的な施策が必要。なお、AIDS発症で感染が発見されるケースを考えると

 これ以外の人たちの対応もおろそかにしてはならない。

 

◇ 医薬品等の安全対策対応の進み具合

  厚労省薬害肝炎検証・検討委員会最終提言を踏まえて、リスク管理や薬

 害再発防止策・薬害資料館等々の具体策に取り掛かっているところだが、

 果たしてその進捗具合は?

  医薬品リスク管理計画(RMP)の策定が、来年4月より新薬品やバイ

 オ後継品の承認申請から製薬企業に求められるという。個別の医薬品ごと

 のリスク対応が体系化されるとのこと。リスク評価が最悪を想定しての対

 応から離れていたために過去の多きの薬害被害が発生している点から、こ

 の仕組みが効果的に機能することを望みたい。そのためにもさらなる安全

 チェック機能としてを、患者の見識も反映できる安全監視体制の早期実現

 をすべきだ。

  元となる医薬品行政を監視・評価する第三者組織の創設については、二

 転三転している。議員立法で今国会への法案提出との情報が最近のものだ

 った。しかし、上記最終提言で取りまとめた第三者組織の機能で安全性に

 関する調査権限がないなど薬害肝炎原告団・弁護団が反発、流動的だ。

  同組織の位置づけについて他の法律や審議会と比べて突出した位置づけ

 はと、否定的な見解もあるが、もともと薬害は絶対に起こさないという意

 気込みで検討会が設置されその提言を生かすことは国策であるはず。反省

 を踏まえてつくられるはずなので、前例にないことも含めて安全監視体制

 が確立されることが必須で。

  この件は、薬害HIV訴訟原告団も大臣との定期協議の中で強く求めて

 いる懸案課題でもある。


◇「行政事業レビュー」で日本赤十字社の献血事業への補助廃止と判定

 6月21日の省自らが事業仕訳のように評価する「行政事業レビュー」が厚労

 省で開かれた。

  『議論の対象となった「血液製剤対策事業」は、血液製剤の安定供給の確

 保や安全性の向上を目的に、献血ルームの施設整備や成分採決装置の購入、

 検査体制の整備、啓発活動に対して国が費用の一部を補助するなどしている。

 2011年度は3億7100万円が執行され、12年度は3億4600万円を計上している。

  一方、日赤の血液事業は毎年多額の余剰金が生じており、10年度は95億円

 余りの余剰金を計上。同レビューの外部有識者からは「余剰金が発生してお

 り補助は廃止すべき」「日赤のコストダウンの努力が明確でない。経営努力

 を促す仕組みが必要」などといった意見が相次ぎ、有識者6人中3人が「廃止」

 と評価した。(平成24年6月22日付「日刊薬業」より)』

  血液事業の国の責務も勘案し、政務三役で対応検討となったそうだ。

  多額の余剰金やコスト意識はこのところ指摘され続けている。献血啓発活

 動等は、自治体や日赤社費などからの資金等も評価することや、今後の血漿

 分画の新法人発足への将来投資や研究費に充てるなど、日赤の奉仕事業とは

 異なる経営効率的な運営が必要な血液事業なので、そこを改善してゆく機会

 でもあるのでは。


◇ 肝炎患者の就労支援取り組みへ  はばたきもHIV就労取り組みでの経

  験で一定の成果を上げた、当事者も含め関係者の協働をともに生かして支援

 をしていきたい。

 
  肝炎については、最近話題が大きく取り上げられているためか、社会生活

 で感染症としての偏見からの無理解な対応に悩む人が多いとの苦情が多くあ

 るそうだ。特に生活の支柱となる就労に支障をきたすのは患者にとって一番

 困る問題である。

  民主党の肝炎対策推進議員連盟の会合で、肝炎患者の就労支援や相談体制

 充実について意見が上がったそうだ。同会合に出席した患者団体からも職場

 の理解と正しい知識の普及が求められたという(6月14日)。

  重要な取り組みなので、HIV・AIDSの偏見・差別に対し、関係者(

 国を中心に行政・ハローワーク等関係機関、医療機関、経団連・企業、支援

 団体、当事者)の協働でそれぞれが責任を持って実践していくことを、この

 問題でも応用していきたい。


◇ 米FDA HIV検査キット、初の家庭用製品を承認

 『米FDA(食品医薬品局)は7月3日、米国発の家庭用HIV検査キット「

 OraQuick In-Home HIV Test」を承認した。OTC製品として10月に小売店や

 インターネットで発売される見通し。

  承認したのは、米 OraSure Technologies 社の製品。HIV-1型と同2型に対

 する抗体を検出する。綿棒で歯茎から唾液を採取することで、20-40分以内

 に結果が判明する。FDAによると、臨床試験ではHIV陽性で検出率92%、陰

 性で99.98%が認められているという。ただ、誤検出の可能性も残されている

 ため、医療機関での追加の検査が行われるべきという。

  FDAでは、同キットが「診断を受けていない多くの感染者を同定する可

 能性がある」としている。米疾病対策予防センターの推計によるよ、米国内

 のHIV感染者数は120万人で、5人に1人が自身の感染を自覚していないという。

 (平成24年7月5日付 「日刊薬業」より)』

 
 ※感染の自覚を促すためには有効だろうと思われる。一方、誤検出の可能性

 では医療機関での最終確認が必要と、検査結果を一人で受け止めるためにNGO

 等への相談増加が予想されることなど、今後インターネット通販で海外から

 の流入や日本での普及も速まる可能性に対応できるようにしなければならな

 いだろう。

 

  

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