HIV陽性で求職強要、余儀なく退職 いまだ続く医療機関での差別禁止対応 厚労省は早急に対策を!
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- 2012.1.16
『HIV陽性で休職強要』 九州で看護師が医療法人提訴
20代看護師が検査結果を無断で勤務先病院へ連絡・勤務先病院は休職強要
いまだに無理解として、23年に開かれたエイズ予防指針の見直しの作業班
で問題視され医療機関でのHIV差別対応として、特段に「医療従事者等に
対する教育の強化」が盛り込まれた。(普及啓発及び教育・指針第三)
禁止されている就労差別、どうする監督官庁・厚労省!
HIV(AIDS原因ウイルス・ヒト免疫不全ウイルス)感染の検査をした病院が、
感染を無断で勤務先の病院に伝え退職を余儀なくされたとして、九州の20代の
看護師が両病院を経営する2法人を相手に慰謝料などを計約1100万円の損害賠
償を求める訴訟を起こした。
厚生労働省は都道府県に出したガイドラインは、医療現場を含めた職場でHIV
感染が就労禁止にならないと定めている。(平成24年1月13日付 毎日新聞より)
検査した大学病院では「…、看護師を続けることは可能」と言われ、出勤。
しかし、勤務先の病院幹部らから「HIVが陽性という報告を受けた。患者への
感染リスクがあるので休んでください」とされ、
休職、退職を余儀なくされるという、医療機関で問題事例のお定まりの過程を
とった人権侵害が今なお公然とされたことに憤慨する。
エイズ予防指針見直しの作業班会議では、こうした事例には罰則を盛り込む
べきという委員からの意見書があった。
HIV医療が慢性疾患化していく昨今で、地域医療として身近な診療所等との連携
のもとに感染者が生活しやすい環境を作る方向で医療体制を構築しているが、九州
地区のある医療会議で、風評被害が心配で受け手の診療所等が拒否をしていると指
導的医療機関が公然と話すのを聞いて、開いた口がふさがらなかった。
10年以上も前に戻った内容で、指導的医療機関担当者の無責任さには監督官庁の指
導を徹底してもらいたい。
(大平 勝美)