ST合剤以外の 新たな ニューモシスチス肺炎治療薬(GSK開発) ようやく日本で承認へ
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- 2012.1.22
≪GSK ニューモシスチス肺炎治療薬の承認を取得 ≫
グラクソ・スミスクライン(GSK)は1月18日、ニューモシスチス
肺炎治療薬「サムチレール内用懸濁液15%」(一般名=アトバコン)
について、同日付で厚生労働省から製造販売承認を取得したと発表し
た。
適応菌種はニューモシスチス・イロベチーで、適応症は「ニューモ
シスチス肺炎、ニューモシスチス肺炎の発症抑制」。ニューモシスチ
ス肺炎治療の第一選択薬であるスルファメトキサゾール・トリメトプ
リム配合薬(ST合剤)の使用が副作用により困難な患者に使用する。
ニューモシスチス肺炎は、酵母様真菌であるニューモシスチス・イ
ロベチーによって引き起こされる肺炎。HIVやがん、臓器移植のほ
か、ステロイド剤の長期服用などで免疫力が低下している患者が発症
する。
サムチレールは、ニューモシスチス・イロベチーのミトコンドリア
電子伝達系を選択的に阻害することにより抗ニューモシスチス活性を
示す。英GSKが開発し、2011年12月現在、世界20カ国以上で承認さ
れている。
国内では、厚労省エイズ治療薬研究班によりエイズ治療研究を目的
に個人輸入され、国内医療機関に提供されてきたほか、国立国際医療
研究センターエイズ治療・研究開発センターでも独自に個人輸入が行
われてきた。こうした背景から日本エイズ学会が開発を要望し、厚労
省が開発を要請してきた。
(平成24年1月20日付 「日刊薬業」より)