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高齢化で様々な合併症がこれから発現する可能性、循環器症状の体験から

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  • 2012.3.21

狭心症の疑い症状から心臓の動脈硬化を検査するため造影CTを撮った。

年齢、HIV、抗HIV薬の副作用による高脂血症、糖尿病、そして血友病と多重合併

から、動脈硬化による心臓冠動脈狭窄が強く疑われる結果が出た。

そこで狭窄部位の精査のため動脈からカテーテルを入れて冠動脈造影検査と

左心室造影検査を行った。

造影CTの結果をより鮮明にされ、最も大切な冠動脈の狭窄は50%は確保されていた。

問題の裏側に回る少し末梢にかかる動脈が90%狭窄があり、積極的に治療すべきか

少し経過を見て行こうかと悩ましい所見だった。

というのは、私個別の特有なことがあった。

血友病患者で合併症として血友病性関節症があるので、膝関節や股関節など下肢障

害があるため駆け足はできず、階段の昇り降りもゆっくりと運動量が少ないので血

管が狭窄で細くなっていても血液は末梢に届いていることが一つ。

治療処置でステントを入れて確保しても、血液が固まりにくくする薬を続けることで、

出血した場合の凝固治療をさらに難しくすることなどから、経過を見ながらいよいよ

必要な時には治療することとなった。


血友病患者の高齢化に伴う循環器症状は、運動量の少ない血友病患者だからこそ症状

が出にくく、病状の進行の発見が遅れることが起きるのではと予測される。

成人病としての高血圧や糖尿病は一般の人と変わらないし、運動量が少ないためにコ

レステロールが蓄積しやすいし、糖尿病にもなりやすい生活環境にあると推測される。

これに、HIVがあると抗HIV薬による高脂血症や高血圧など循環器障害が起きやすい。

また、いざ検査となってこれはと思うのは、動脈カテーテルを施す場合、肘関節が伸

びきれていないと腕の動脈からカテーテルを入れることができなくなり、検査後の安

静が辛い鼠蹊部から動脈カテーテルをすることになる。止血管理においても腕のほう

が良いのだが、私は鼠蹊部から行った。術後、鼠蹊部動脈の止血を確実にするため、

翌朝まで動かさないようにしているのが大きな苦痛だった。凝固因子製剤は予防的に

も朝晩2000単位を退院後も続けた。

やはり、血友病は高齢化にあっても、ますます大変だ。

 


 

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