2015年、新しい年を迎え、みなさまのご多幸とより充実した年になることをお祈りいたします
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- 2015.1. 8
2015年、新しい年を迎え、みなさまのご多幸とより充実した年と
なることをお祈りいたします。
社会福祉法人はばたき福祉事業団は、常に新たな夢の実現に向かって
薬害HIV感染被害者の救済とHIV/AIDSの医療福祉環境整備、
患者参加型医療福祉社会を切り拓いていきます。
昨年に増して、みなさまのご支援、ご鞭撻をよろしくお願いいたします。
さて、私どもの基は薬害エイズ事件に取り組み始めて32年に遡ります。
薬害事件として正式に東京地方裁判所に訴訟を提起して今年で26年目
になり、薬害エイズ裁判和解19年となります。
その間に原告被害患者は689が亡くなっています(提訴者1,384人)。
感染した被害からの犠牲は今なお続いています。
東京原告団は「このまま死んでたまるか、何とか生きたい」という
『生きる裁判』を旗印に6年余の死にものぐるいの闘いを続けました。
和解に向けた全面解決要望書に、薬害エイズ発生時からその過程で体験し
た行政・企業・医療者や医療機関での悪しき対応や自らの患者会の動き等を
教訓として、被害者自ら企画・参加した「エイズ治療研究センター」を中核
とした“HIV医療体制や救済医療や被害者救済”を視野にした『救済セン
ター構想(後の「はばたき福祉事業団」)』を中心に新たな医療福祉づくりを
視野にした内容をもり込みました。
和解から19年、その内容一つ一つを行政・医療関係者らの力を借りて現
実化してきましたが、まだ達成には行き尽きていません。逆にこの間に構築
してきた一つ一つに綻び、形骸化が出てきておりその点検をしつつ修復と新
たな課題に対応できる整備も着手しています。
被害患者は感染してから30数年、日本では最初のHIV/AIDS患者
です。HIVによる未知で多様な合併症の発生に悩まされながら、生き残っ
ている患者は長期療養期への医療福祉再整備が必需となっています。最近は
急性期医療一本やりで、もともと予測もされていた多様な病状を抱え生き抜
く被害者を想定したHIV治療研究のエイズ治療研究センターやブロック拠
点病院の有り様が急性期治療に追随しているので、元の責務と機能の戻すこ
とにエネルギーを注ぎ、またHIV/血友病を抱えた被害者が安心して医療
もカバーできる療養型施設などの確保や生活緩急整備にもかなりの力が必要
となりました。安定した生活と医療福祉のは両輪です。
これに取り組み解決していく果実はきっと多くの慢性疾患の患者さんの長
期療養に役立つものと考えます。試行的取り組みですが、今関心を持って私
たちと協働してこの試みに参加してくださっている方が増えています。
ぜひ、より多くの方が関心を持っていただき、またご支援していただけま
すことをこころよりお願いいたします。