◇はばたき血友病情報(医療情報)「HIV/HCV感染被害血友病患者とGBVウイルスCの影響など」
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- 2012.9.19
『ヒト免疫不全ウイルス1型とC型肝炎ウイルスに感染している血友病患児と
血友病青年期患者におけるGBVウイルスCの役割』
(Role of GB Virus C in Human Immunodeficiency Virus Type-1 and
Hepatitis C Virus-infected Hemophiliac Children and Adolescents.)
出典:J Acquir Immune Defic Syndr. 2012 Jun 13. [Epub ahead of print]
著者:Tenckhoff S, Kaiser T, Bredeek F, Donfield S, Menius E, Lail A,
Mössner J, Daar ES, Tillmann HL.
要旨
背景:成人では、GBVウイルスCはHIV疾患の予後が良くなることと関連してい
ることがしられている。血友病患児と血友病青年期患者におけるGBV-C、
HIV-1やHCVとの有病率や相互作用については良くわかっていない。
方法:血友病の成長と発達研究(HGDS)におけるHIV感染および非感染の血友病
患児と血友病青年期患者がよく特徴づけられたコホートにおいて、ベース
ラインと直近の通院で得られた試料中のGBV-C RNAを検出するためqRT-PCR
(定量的リアルタイムPCR:GBV-Cの遺伝子発現を解析)を用いて評価した。
結果:HIV感染血友病者(202名)およびHIV非感染血友病者(119名)は、ベース
ライン時では、GBV-C有病率はそれぞれ(0.9%、0%)と低かったが、直近
の通院時では、それぞれ(25.2%、26.3%)と増加した。
GBV-C測定の経過観察中、GBV-C感染者は、非感染者よりCD4が高く持続し
ていて、HIV-1ウイルス量が低かった。
ベースラインでCD4細胞数とHIV-1 RNAを制御した後では、GBV-Cの便益の
効果は、もはや重要ではなくなった。
GBV-Cウイルス血漿患者よりGBV-C感染していない患者のほうが、HCV RNA
のクリアランスは頻度が高かった。
結論:本研究は、GBV-CとHIV-1感染の進行を緩和するという明白な関連性を裏付
けるものである。GBV-C感染は、持続的なHCV感染と関連している可能性が高い。
※コメント(E.M)
G型肝炎は、ウイルス性肝炎の一種で、GBウイルスC(GBV-C、またはしばしば
G型肝炎ウイルスまたはHGVと称される)が原因であるとしばしば指摘されています。
以下、GBV-C/HGVとします。しかし、GBV-C/HGVが実際に肝疾患を引き起こすかどう
かについてはまだ明らかにされていません。