『 はばたき血友病情報(治療・研究)「献血由来の国産初 血友病インヒビター治療用製剤を申請」 化血研 』
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- 2013.10. 8
《 化血研 血友病インヒビター治療用製剤を申請、初の国産品 》
化学及び血清療法研究所は10月7日、インヒビター(抗体)を持つ
血友病患者向けの止血管理用バイパス製剤(一般名(予定)=乾燥濃縮
人血液凝固第Ⅹ因子活性化第Ⅶ因子)を同日付で承認申請したと発表し
た。血友病インヒビター治療用製剤としては初の国産製剤(しかも献血
由来の)となる。
血友病Aと血友病Bでは血液凝固第Ⅷ因子あるいは第Ⅸ因子を投与す
る治療が行われているが、まれに投与された血液凝固因子を異物と見な
してインヒビターができ、血液凝固因子製剤の効果が低下する場合があ
る。
化血研が申請したのは、活性化人血液凝固第Ⅶ因子に人血液凝固第Ⅹ
因子を混合し、第Ⅷ因子や第Ⅸ因子が関与する凝固経路を迂回(バイパ
ス)して血液凝固反応を促進するバイパス製剤。希少疾病用医薬品に指
定されている。
( 平成25年10月8日付 「日刊薬業」より )
※当製剤の開発についての話は伝わっていたが、いつ世の中に現れるの
か気をもんでいた。
ようやく申請に漕ぎ着けたことで、献血由来の貴重な製剤の商品化、
国内献血での国内需給達成や新たな作用機序を持つ国産製剤としてと
して期待したい。
高価格にウナギ上りになっていく輸入遺伝子組み換え型凝固因子製剤
に押され気味のところで、日本血液製剤機構からは容量が小さくなっ
た血液凝固第Ⅷ因子製剤改良型が登場し、この度の献血由来のインヒ
ビター製剤の登場で国産製剤を利用拡大することで健康保険財政を圧
迫する高薬価傾向を是正されることを大いに期待したい。
医療者・医療機関やユーザーたる患者の意識も「献血」の大切な意義
と生かして積極的に使って欲しい。
また、国策としての国内自給、特例的に早く承認されることを希望する。