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『はばたき血友病情報(治療・研究) 「海藻が血友病患者の血液凝固を改善?」NHF医療ニュース5月号から』

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  • 2013.6.20


  [ 全米血友病財団(NHF)医療ニュース2013年5月号より ]

    『 海藻が血友病患者の血液凝固を改善 』

 2013年3月 テンプル大学とデラウエア大学の研究者はThe Journal of

  Biological Chemistryにて、血液凝固を改善するフコイダンが用いる

 メカニズムを発表しました。フコイダンは、糖鎖(硫酸多糖類)、

 ワカメ由来です。

  本研究は、フィラデルフイアのTU ソル・シェリー止血研究センター

 のSatya P. Kunapuli博士部長のもとでおこなわれました。

  通常、血液中の血小板は、血液凝固を形成し、それを維持するのに

 いくつかの凝固因子と共に協調しておこないます。しかし、血液凝固

 疾患の患者は、この過程が壊れています。

  最初の監視役は、存在しますが、いくつかの凝固因子が不十分か、

 欠損しています」UDの生物科学部門の教授、デラウエア心血管研究セ

 ンター部長、本研究の共著者であるUlhas Naik博士は述べています。

 「こうした凝固因子がない場合、血小板は出血を止める栓をうまく

 形成できないか、形成するのに時間がかかり強固ではありません。」


  マウスを用いて、Kunapuli, Naikと彼の同僚はフコイダンが特別な

 凝固因子を置換、刺激するのではなく、血小板を活性化します。研究

 者は、このメカニズムがCタイプのレクチン様レセプター(CLEC-2)をも

 つことで機能していることを発見しました。フコイダンは(CLEC-2)に

 結合し、活性化、凝固を形成、保持する能力を促進しています。この

 経路は既存の因子と置き換わることで特定の凝固因子レベルを上昇さ

 せている可能性があります。興味深いことにヘビ毒もまた、CLEC-2を

 活性化します。毒ヘビに噛まれることで、血小板活性が上昇します。

 この結果、ヘビの獲物は何もできなくなります。

  著者らは、本研究を非血友病患者でこの薬剤を用いることを警告し

 ています。

 「もちろん、臨床研究では、本薬剤が対照群である健常者に投与して

 はいけないことが重要です。なぜなら、このことで、必要以上の血液

 凝固が活性化され、血液凝固が起こる可能性があるからです」

 とNaik氏は述べています。

  本研究は、The Journal of Biological Chemistry on March 15,

  2013.で[フコイダンはC-タイプレクチン様レセプターの新規アゴニ

  ストである。で発表されました。

 
  情報源 :デラウエア大学2013年4月2日号

  原著論文:
   J Biol Chem. 2013 Mar 15;288(11):7717-26.
    doi: 10.1074/jbc.M112.424473. Epub 2013 Jan 22.
   Fucoidan is a novel platelet agonist for the C-type
    lectin-like receptor 2 (CLEC-2).
   Manne BK, Getz TM, Hughes CE, Alshehri O, Dangelmaier C,
    Naik UP, Watson SP, Kunapuli SP.

  注:フコイダン:昆布やモズクなどを原料に健康食品として販売され

   ています。癌抑制、炎症反応、免疫反応、脂質代謝および血管新生

   に対する効果が報告されていますが、科学的・臨床レベルでのデータ

   は不足しています。

 
 ※海藻の凝固作用の話はずいぶん前から話題にはなっていました。

 またそれよりずっと以前、ヘビ毒を利用した薬(レプチラーゼなど)

 を止血剤として古い患者は使った体験があります。

  海藻の話は、注意書きにありましたように、科学的・臨床レベルで

 のデータが不足しているものです。今回はNHFの情報として興味深い

 話として紹介いたしました。

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