[ 世界血友病連盟(WFH)2018大会 はばたき参加者からの報告 第2報 スコットランド グラスゴー 22.5.2018 ]
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- 2018.5.23
[世界血友病連盟(WFH)2018大会 はばたき福祉事業団参加者報告2日目
スコットランド グラスゴー ]
おはようございます。
グラスゴーは、真夜中の午前3時です。二日目の報告です。
5月22日のセッションが無事終わりました。柿沼研究員からのポスター発表でした。
「Outreach, education, counseling and support results
and outcomes towards hemophilia carriers or women in hemophilia extraction
in Japan」(『日本の血友病保因者および血友病家系女性に対するアウトリーチ、
教育、および 相談支援の成果』柿沼彰子他、WFH2018)
こうした国際学会の良さの一つに、同じミッションや方向性をもった研究者同士が
仲良くなるということがあります。さらに、WFHは血友病の学会ですので、患者
(血友病だけでなく、VWDなどの女性の参加が増えた)、保因者やサテライトファミ
リーと英語で言っていましたが、広く家族、の参加があって、大賑わいです。
事務局長の柿沼さんと、埼玉大学の関先生と話をしたのは、英語ができなくても、
「研究者だけだともったいない。患者、家族こそ、この雰囲気を実感してほしい」と
いうことでした。
この雰囲気に触れるだけで、きっと笑顔に、元気になれます。
これは、言葉ではなかなか伝わりにくいと思うので、ぜひ、次のWFHの学会では、
多くの方の参加をお勧めします。
日本の研究者、特に医療者の姿を見ないので、特に血友病の患者は、特に被害者は
ちゃんとHIVやHCV、血友病の治療を受けられているのだろうか、大英博物館で
展示されている恐竜のように、HIV感染させられた日本の血友病患者は、絶滅して
しまったのではないか、などと、誤解のもとになっています。
日本の国はこのことをどう考えているのでしょうか。恥ずかしかったです。
とはいっても、何をするかが大切なんですよね。
例えば、日本医療研究開発機構エイズ対策実用化研究事業「HIV関連病態として
の血友病の根治を目指した次世代治療法・診断法の創出(大森班)」で、血友病の市
民公開講座の計画が進行中です。年末前後に、血友病の根治治療、遺伝などの次世代
治療や診断法などを、広く市民に情報提供を行うイベントです。
このWFHで学んだとても良い雰囲気に近くなるように、血友病根治治療を目指す
医療者や研究者のグループで、進めています。暖かな市民のまなざし、研究者のやる
気、そして、患者家族の心理的に安心できる場所、そういった、場所を日本でも、と
いう思いを強くしました。
薬害HIV裁判の和解後に始まった根治療法を目指す研究の重要なミッションの一
つとして、はばたき福祉事業団やACC(エイズ治療・研究開発センター)はじめ、
エイズ対策の歴史でこれまで培ってきた延長線上にある、協働、のイベントです。
多くの方とお会いできることを楽しみにしています。
実は、血友病の患者の家族でも、意外と血友病のことを知らなかったり、薬害被害
のことを含め、血友病は家族内の秘密になっていたりして、残念ながら孤立している
ケースが多いです。
また、そのことが、実際には、治療もありますし、将来の根治治療という明るいニ
ュースも予定されているのに、人生に前向きになれなかったり、結婚や出産をあきら
めてしまったり、する人が多いです。
そこで、具体的な支援として、血友病家系女性や保因者に対する血友病のアウトリ
ーチプログラムについてのポスター発表(柿沼章子研究員)を行いました。
アウトリーチとは、何かといいますと、必要な人に、情報や相談の機会を届ける、と
いう意味です。はばたきから、eラーニングや自己決定などのサポート、個別の情報
提供や、相談の機会を提供しています。
ポスター発表なのですが、これが、意外な展開になりまして、なんと同じテーマで研
究しているオーストラリアのグループとつながった。しかも、ポスターが目の前の向
かい合わせでした。
共通する特徴として、わかりやすく、保因者のヒストリー、事例が分かるようにホーム
ページを作っているということで、本当に、研究のいきさつやら、国のサポートのあり
かた、今後の夢などを話し合い、ポスター発表の場が、ものすごく盛り上がりました。
詳しい内容は、柿沼事務局長からも報告があると思います。
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グラスゴーは今日も晴れです。会場までの移動は鉄道を使いました。駅員さんが、血友
病の学会ということを熟知していて、「どこから来た(英語)」「日本(英語)」「世
界中から(血友病のために)集まっているんだね(英語・笑顔)」と声をかけられまし
た。これって、すごいことですよね。国を挙げて、病気の理解や、暖かなまなざしが共
有されていることを、この駅員さんは誇りに思っているわけです。
とても、良い一日になりました。夕方には、WFH主宰のパーティが科学博物館であり
ました。
スコッチウイススキーのシングルモルトをほんのスコッチだけ飲みました。樽のフレー
バーのする日本酒の味がしました。
ホテルに帰ったら爆睡してしまい、起きたら午前3時でびっくりしました。体調はとて
も良いです。
明日もがんばります。
久地井 22.5.2018