実践的厚生科研のさきがけを積み重ねる 兼松班(長崎大)
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- 2010.10.22
【血友病/HIV/HCV】
≪実践的厚生科研のさきがけを積み重ねる 兼松班(長崎大)
「血液製剤によるHIV/HCV重複感染患者に対する肝移植のための組織構築」≫
薬害HIV感染被害者のHIV/HCV
重複感染の悪化と考えられる肝硬変、肝不全、肝がんなどで死亡する患者が減らない。減るどころか増えている。
何とか被害者の命を救おうという、あきらめずにあらゆる選択肢にチャレンジするという、原状回復医療に懸命に力を尽くす医療者・医療機関が見えなくなってきた。
ほんの一握りの医療者と行政官によって、あきらめ治療で命を失っている現状を打破しようと、私たちの心底からの訴えに、研究班がつくられた。
その一つ、兼松班。長崎大学大学院 移植・消化器外科教授 兼松隆之先生が主任研究を務める。
その第二回班会議が横浜で開かれた。
少ないが研究班による入院検査や患者自らの提供によるデータをもとに、一人ひとりの病状についてカンファレンスが行われた。
この研究班では、究極の選択でもある肝移植についての適応性や、治療の選択肢としての肝移植を患者・主治医にも、もっと身近に考えられるようなガイドラインや支援体制を構築し、実践的に被害者「一人ひとりを救う」使命を託されている。
今回は、長崎大学、長崎医療センター、大阪医療センター、東京大学、横浜市民病院からHIV感染症や消化器内科・外科、移植外科、細胞療法、長期療養の専門家、厚生労働省の疾病対策課の技官が参加され、上記使命を前提にそれぞれの専門分野からの意見や問題提起など討議があった。
そして本来上記のミッションを託されていたはずのエイズ治療・研究開発センターからもようやく参加があった。ようやくくだ。
血友病/HIV/HCVは一般的なC肝の診方では困難。エビデンスがないと言っていると手遅れになるくらい急変してくる。
また、肝不全、肝硬変、肝がんと原因をはっきりさせる必要がある。肝不全には、DDIやDDCの服用による門脈血栓もあり、この場合のフォローも非常に重要。
この班の実働により、病院ごとに埋もれていた患者の貴重な命の資料が、残された患者を救う資料ともなり本当の意味での救済医療につながってくる。
そして、被害患者一人一人が横断的な視点で最善の治療につながることが期待されている。