脳死肝移植をされたAさんの手記

肝移植に至るまで(病状や気持ち)
C型肝炎による肝障害は長年にわたり、肝癌こそ見られなかったがエコー、CT検査ではかなり悪化した状態が長年続いていました。2018年秋に激しい腹水貯留が始まり、また高アンモニア血症による意識障害が頻発されました。この後対策は肝移植が最善との診断を受けました。その状況に至り移植への希望を強く持ち始めるも誰にどのように希望を伝えるかで迷う日々が続いていました。

肝移植手術を決めるまで(気持ちや家族との共有)
長年にわたり血友病治療の全てをおまかせしていた仙台医療センターの伊藤医師、今村医師から肝移植への積極的支援案内があり、同時に長崎大学病院の江口先生、日髙先生への紹介・相談へと進みだしました。肝硬変の状態は同センター真野医師が全て対応してくれました。
そこで長崎大学病院の日髙先生が移植の説明のために仙台にいらして私、家族との面談をして下さり、多くの不安はその結果なくなり、移植へ道が開けました。家族の同意も取れ大きな山場を越えました。

肝移植手術を受けるまで
長崎大学の江口医師と日高医師が仙台まで足を運んでくれました。その際に「お忙しい中、お越しいただいて」と言うと、江口医師は「自分が担当する患者だから自分の目で見ないと」とおっしゃいました。そして、「長崎に来なさい」と言われ家族3人で長崎に行くことにしました。10日後に移植の連絡が入り手術に至るという幸運なながれでした。
体調の不良での長崎までの長距離の航空機移動にはACCの塚田医師が全行程同行して頂き、万全の体制を組んで頂けるという連携のとれた体制は素晴らしいです。

移植後
移植手術後は江口医師の指示のもと日高医師、移植チームの皆さんがリハビリに至るまで完璧な対応をして頂けたので不安はありませんでした。移植前に抱いていた心配や不安はすぐに飛んでいってしまいました。
術後は別世界です。これまで60年血友病と付き合ってきましたが出血の心配がないんです。
透析を受けていますが16ゲージの針を毎回2本打つのですが止血の必要がないんです。他の外科的な処置・手術においても一般の人と同じで特別な止血管理はいりません。驚きです。
日高先生とは島根大学に移られた今もメールで近況などのやり取りをしています。

患者さんに向けて
本当に移植後は別世界です。是非、長崎大学病院に行って、江口医師たちを信頼し治療の方向を見定めることをおすすめします。術後は別世界です。
とにかく一歩前に踏み出しましょう。そして全てが生まれ変われます。明るい人生をつかんでください。