HIV・薬害エイズ情報
長期療養のためのオンラインイベントが開催されました
10月9日(土)「長期療養のためのオンラインイベント」を開催しました。元来血友病のため運動が難しく、コロナ禍で外出も制限され、体を動かす機会が減り、体重や血圧の増加がみられる患者が少なくありません。そこで、コロナ禍でも適切に体重をコントロールし、生活習慣病を予防するために、オンラインで運動や栄養のアドバイスやダイエットの経験を語ってもらう機会としました。
当日の内容は以下の通りです。
●開会挨拶
岡 慎一 先生(エイズ治療・研究開発センター センター長)
●食事で出来る生活習慣病予防
川井 翔 先生(国立国際医療研究センター 栄養管理室 栄養士)
渡辺 恒二 先生(エイズ治療・研究開発センター 医師)
●生活習慣病に効く運動
田中 正俊 先生(国立国際医療研究センター リハビリテーション科 理学療法士)
唐木 瞳 先生(国立国際医療研究センター リハビリテーション科 作業療法士)
●HIVコーディネーターナースからのお知らせ
岩田 まゆみ 氏(エイズ治療・研究開発センター コーディネーターナース)
●患者発言
患者
●質疑応答
●閉会挨拶
潟永 博之 先生(エイズ治療・研究開発センター 救済医療室長)
このオンラインイベントは、「はばたき福祉事業団会議室」と「ACC会議室」、そして被害者の方が日常の居場所として利用するための「はばたきベースステーション」の3元生中継で行いました。
オンライン中継のメインとなるはばたきの会議室では、早朝から業者の方が来られて準備を行いました。また、リハビリテーション科のスタッフも講演や実演のリハーサルを入念に行いました。
岡センター長のご挨拶のあと、「食事で出来る生活習慣病予防」というテーマで、渡辺先生と川井先生からお話がありました。まずダイエットに成功したACCの渡辺先生が昼食時のちょっとした工夫を話され、川井先生からは同じパンでも、野菜など具材の多いサンドイッチを選ぶと良いなど具体的な助言がありました。
続いてリハビリテーション科からは、「生活習慣病に効く運動 ~消費カロリーから考える減量対策~」というテーマでPTの田中先生とOTの唐木先生でお話がありました。洗濯や掃除、料理等日常の生活活動でもカロリーが消費されるとのことで、運動が出来なくても日常生活でまめに動くことを意識すると良いと助言がありました。
岩田氏からは、コーディネーターナースからのお知らせがありました。最近、ACCの血友病包括外来では脂質異常や高血圧の方が増えており、また体重が増加した方も多く、関節にも影響が出ているとのことでした。今回のイベントは、このような患者さんにとってタイムリーな企画なので、ぜひ日々の生活に取り入れてほしいと思います。
また、ダイエットに成功した患者からの話もありました。高い目標はいらない、気づいたときにやってみるなど、自分を追い込まずゆるい感覚で行うことが大切だということが意外でした。
質疑応答の中で、スクワットについての注意点を教えてほしいという質問がありました。リハ科のスタッフから正しいスクワットの実演があり、また関節が悪くスクワットが出来ない人向けの足の運動の実演もありました。大腿部は大きな筋肉であり、正しいスクワットはとても効果的なので役に立ったと思います。
最後に潟永先生からの挨拶で1時間30分のイベントは終了しました。
この日は患者18名、医療者62名の方にご参加いただきました。ありがとうございました。初めての試みということで課題はありましたが、収穫もたくさんありました。これをぜひ次回につなげていきたいと思います。