研究・その他医療情報
C型肝炎経口治療錠剤「ハーボニー配合剤」偽造品を調剤、卑劣な行為。闇流通ルートの解明と利益追求医療の是正を
「長年根治を求めていたC型肝炎治療 高い効能と経口薬という簡便性、しかし極めて高価。そこを狙った、偽薬が流通。患者の未来と命を欺く、何とも卑劣な行為。早急に闇の流通ルートの解明と、温床となる薬価差益追及医療の解消を」
一昨年から、根治が難しかったC型肝炎治療に、経口薬での著効な配合剤が処方され服薬できるようになった。
画期的な治療薬として、極めて高価な薬価のついた配合剤ではあるが、多くの患者・医療者から歓迎された。
今回、問題となった偽物の薬を仕入れた効果あるC型肝炎治療配合剤の一つ、ギリアド・サイエンシズ社のハーボニー配合剤(1錠約5万5000円、1ボトル約153万4000円)が、正規販売ルートではなく、利益追求経営なのか薬価差益優先したと思われる現金問屋ルートから仕入れたものに偽薬品が入っていた。患者からすると、国民皆保険という日本の優れた健康保険制度の中で、人の命や健康を守る医薬品の流通に、極めて悪質な利益追求の経営姿勢の薬卸問屋や調剤薬局などが闇のルートが存在し、今回のような事態を引き起こしている背景は徹底して解明されなければならない。
薬害エイズ時間の時も背景に海外からの血液製剤の大幅な値引きなど病院等を潤す薬価差益が存在した。その反省から一時薬価差益是正など病院、製薬会社の姿勢が問われたが、今や再び経営・利益追求の医療体系になり、最終的に患者にその付けが回ってきている。今回も調剤薬局が絡む事件として、適正に処方をしてくれたと信じる患者は知らずに偽薬を飲まさせることになる。
厚生労働省が基本的に人の健康を守る医療関係者や機関の利益追従に染まっていくことを容認しての問題噴出ではないか。関係機関の厳粛な対応がなされなければならない。
やや離れたことだが日本は海外からの個人輸入医薬品についても厳格な規制がなく、安価な海外抗HIV薬個人輸入で服薬、健康被害が発生している情報もあった。効能が高く、高価な薬など狙われる素地を再度点検して、国民か薬の被害に遭わないよう対策を立てるべきだ。